それでも、咲く
熱帯夜を経て、当地では連日
「高温注意報」なるものが発令されている。
TVを点ければ、登録エリアの情報を読み取っているのか
現在の天気と気温、注意報や警報
そして、熱中症で搬送された人数が枠外に表示され
リアルに屋外から、緊急車両のサイレンの音が聞こえてくる。
適宜、エアコンをかけながら
閉めたカーテンの隙間から、そっとベランダを覗く。
ねっとりとまとわりついてくる独特の熱気にさらされながらも
植物たちはみな、それなりに青さを保ち、花も咲く。
「みんな、よく平気だな・・・」と
思わず、言葉が口を突いて出る。
そして、プランターの隅のところから
ひょいと1本、更に威勢よく伸びているものを見つけた。
・・・つゆくさ!!!
マンション住まいになってから
とんとご無沙汰してしまった、懐かしい草花。。。
勿論、植えた覚えなどあるはずもなく
飛来する鳥たちが、種をひとつぶ、置き土産にして行ったのだろう。
本物の大地にあらずとも
熱せられたコンクリートの床に置かれた中にあっても
容赦なく照り付ける陽射しが注ぎ、大風に吹かれ
雷雨にさらされても
それでも、咲く。