盆栽の年齢

私の住む街は、盆栽で有名なところなので

国内外から、mini tree の美を堪能しようと

多くの方々がやって来る。

全く、小さな造形美というものは

その不可思議な魅力をふんだんに発し

ひとたび、それに魅せられると

たまらない衝動に駆られる、と知人が言っていた。

本来の大きさからすれば

松なんて、人が見上げるものなのだろうに。

その気になれば、ひょいと持ち上げ

私の手のひらに載ってしまう大きさなのだもの。

「これは、何年ものなのですか？」と問うてみたら

「切ってみればわかります」と言う。

価格がつかぬほど、高価なものだというのに

いきなり、何てことをいうのだろう、と思ったら

樹木の年齢は、全て切り倒し

その「年輪」を数えなければわからないのだという。

あまりにも、シンプルで常識的な答えに

何だかかえって面食らってしまった。

ハテ、、、

金屏風の前に展示されているふたつの盆栽

年齢などわからぬまま

どんどんこれからも

歳月を重ね続けていくのだろう。

果たして、私と彼らと

どちらが世で長く生きられるのか、と

ふっと思ってしまった。