どんな賛美でもあなたを語り尽せない
バルコニーで育てているウイキョウの背丈が
あっという間に、私の身長を越してしまった。
もはや、小さなポットに植えられていた
可愛らしいハーブ、などという面影はどこにもなく
これでもか、というほどの花芽を有するようになっていた。
私はこの花を夕刻に見るのが好きだ。
薄茜色に染まった空の中に
見事な切り絵細工の様に映し出される光景・・・。
ふと、遊び心が芽生えて来る。
風に揺れる花枝が擦れ合い
夕陽射すきらめきを、そのまま映し取りたくなった。
ふと、ヒトが触れてはならない世界が
そこにある気がして
不思議な畏怖を覚えてしまった。
そういえば・・・
「どんな賛美でもあなたを語り尽せない」
真実だ、と思った。