虚像の光景
私の部屋から見える、バルコニーの光景。
街はまだ、眠りについている時刻ゆえ
植物たちもどこかぼんやりと眠そうだ。
朝日が昇り、久しぶりに青空が見えた日。
少しずつ花開いてきたチューリップの姿を
窓辺に座りこんで眺めている、愛猫の目線で
私もそっと見てみたくなった。
ふう~ん、と思いつ
ガラス戸のすぐ向う側にある「サンダル入れ」に目を向けると
あらま。
昨夜降った雨がアクリル板のケースの上に残り
そこが鏡のように反射して
面白い光景を映し出していた。
偶然が映し出した虚像とはいえ
私と愛猫だけが独占するには
何だかあまりにも勿体ない・・・と思ってしまった朝だった。