折れた。そして、食べた。
台風19号
寝ている間にこちらのエリアを通り過ぎ
朝には、特有の青空が広がっていた。
吹き返しの風が強く吹き付け
容赦なくプランターを倒して行くけれど
そのたびに起こしたとて
またすぐに倒される。
風が止んだら起こしに行こうと、あえてそのままにしておいた。
柿の木の枝が、折れていた。
色づいた実が付いていたのに。
あれ?
確か、実は3つ、ついていたのではなかったかな?
と首をかしげていたら
一番、色づきも良く、大きな柿の実は
既に母が食してしまったらしい。
「甘かったわよ」と、鼻歌を歌いながら
母が台所にやってきた。
あまりの早業に、私は
「あ、そ。」と答えるのが精一杯だった。