満月-1日
私の自宅は駅前なので
どんなに夜が遅くなっても
灯りが消えることはないし
常に誰かが動いてる。
深夜になろうが、未明になろうが
明け方になろうが、それは変わらない。
ただ、空が暗くなるだけ、だ。
飲み屋の灯りは、翌朝、空が白んだ頃に消えるし
深夜バスの到着は、終電が終わったずっと後。
ビルの真下がバス停なので
停車して、扉を開ける「ぷっしゅー」という音で
自ずと私も目覚めてしまう。
いろいろあって
今夜は何だか眠くならず
イライラしながら布団に横になっているよりも…と
カーテンを開け、空を見上げてしまった。
月!!!
慌ててカメラを手に、窓辺に寄って
露出を変えて、焦点を合わせてみる。
あぁ、そうか。
数日前が十三夜だったから
もうすぐ、満月なんだ。。。
多くの人たちが眠りについている時
ひとり、空を見上げ
月をカメラで狙い
ちょっとだけ、得をした気分になりながらも
「寝なくては」と焦る思いに
どこか、かえって疲れを覚えるようになってきた。
そして、思う。
日本の時間では未明でも、ロンドンにいると思えばいいか、と。