アメノ シズク
全く、なんてこった!と
思う。
昨日は一年で最も暑い日:大暑だったというのに
当地さいたまの最高気温は23度。
5月中旬並みの気温だったそうな。
何となく、薄ら寒くて
夏物のカーディガンを羽織りながら
バルコニーに降る雨を
ただじっと見つめた日。
雨のしずくが植物たちの上に
次々と留まるように落ちて行った。
春に買求めた苗を植え
見事に開花したゆりの花。
その花の白さが、曇天のぼやけた景色の中に
鮮やかに浮かび上がる。
花粉、取らなきゃな・・・とは思うものの
こんな雨降りの日には、億劫で
バルコニーにさえ出たくない。
蕊を伝って、まぁるく膨らむ
アメノ シズク。
ウチのバルコニーの
外側の景色を
ぽやぁ~ん、と、逆さまに映し出してくれる。
花粉を取り除いた花の、蕊にもとまる
アメノ シズク。
何だかスッキリした身軽さを感じてしまうのは
どうしてだろう。
個性があまりにもはっきりしているので
心底惚れこむもよし、そっと眺めるもよし
ゆりの花、魅力はきっと無限大。
集団から外れた一枝が、やっぱり面白い。
ミニトマトをぼかして背景に、一枚。
針のような雨が、降っているのがわかるだろうか。。。
そのミソハギの仲間たちは
群れを成し
同じ方向に風に揺られている。
まぁ、どちらもアリだな、と思う。
揺れる葉陰から、カメラの焦点距離を伸ばし
ピントが合うところで止めてみた。
何でもない細長い葉が
まるで芸術品の様に見えた瞬間。。。
ゆるりと湾曲し
とがった葉先にとまる、アメノ シズク。
なんて可愛らしいんだろう!!!
そのままカメラをスライドさせて
ネコノヒゲも狙ってみる。
シソ科の植物らしい花付きだね。
細い蕊を伝って、丸く溜まるアメノ シズク。
同じ白い花でも、ゆりとは随分、印象がチガウ。
レンズを更に望遠にし
奥にある小さな光景も狙ってみた。
マツバボタンの花びらも、水滴をたんまりたたえて
喜んでいるのか、もうどうにでもして~と言っているのか・・・。
そんな様子をカラミンサの花々が
小さな白い微笑みをもって、ゆるりと眺めている様だ。
そして、もっとも激しく風に揺られていたのが
細い枝に花をつけるガウラたち。
花の形から、蝶が舞うようだ、ということで
そちらの名で呼ばれることもある様だけど
私はガウラと呼ぶのが好き。
細い細い枝のひとつひとつに
平等に雨が落ちては止まり、溜まっては滴り落ちて行く。
ふと、先代のカメラの方が
思いのままに写ってくれたかな、とも思うけど
案外、その時々の、自分の心情が反映されるだけかもな、と
思ったりもする。
決して、カメラの性能ばかりが理由でもなかろうに
少しばかり、観念したくない思いもあって
言い訳を見つけたくなる時もあるのよね。
部屋に、一番近いところに置いてあるのは
これからたっぷりと、グリーンカーテンとして活躍してくれるゴーヤ。
葉裏から、雨の光景を眺める機会なんて
ありそうで、そうそうなかろうに。
ただひとつ。後悔することがあるとしたら
葉の先端についたアメノシズク・・・
こんなに光っていたのに、マクロズームのモードで
クローズアップしての撮影を、し忘れた、ってこと。
カメラのレンズを通すと
どれほど神秘な世界を写し出せたことか、と思う。
あぁ、残念。。。
と、そんなことを思っていたら
「本格的な暑さが来れば、夕立だって来るはずだから」と
そっとゴーヤの蔓が、私を励ましてくれる。
・・・なるほど、ね。
結構な霧雨が降っていても
ブルースターは葉に沢山の小さな毛を有しているので
さらりと受け流し、涼しい顔をしているし
父が愛したシコンノボタンは
時期を待ちきれなくて開花したのか
起きてみれば、雨・・・と、ぽか~んとしているかの様だった。
週が明ければ、暑さが戻るみたいだけれど
梅雨明けまでは、今少し、待たされるのかもしれないですね。。。
春に植えた、古代蓮も
今年は花芽が出ず、葉だけがぐいぐい成長しているけれど
そこに溜まるアメノ シズク・・・
まるで意思があるものを眺めている様な気がして
うっかり目を離せないな、と思ったりもする。
涼しくて、ヒトは過ごしやすいんだけど、ね。