ハクモクレンの散った朝
その時期は、いきなりやってきて
そして、あっさりと去ってしまう。
今年も咲いた、白過ぎる花たち。
マンションの入口の両側に
対になるように、と植えられたハクモクレン。
コンクリートに囲まれた日常の中では
出かけて行く朝の光の中では、まだ空が恍けているし
家に戻る時間帯では、すっかり闇があたりを包んでいる。
だから、その白さを味わうためには
青空が広がる日に
何としてでも時間を取らねばならない。
しかし、雨が降り、風が吹き
たった一夜で
すっかりみすぼらしい風貌になってしまった。
ビニール傘を手に
ゴミ捨てがてら、そっとその木を見上げた朝。。。
やはり、真白き花たちがこぞって咲いていた光景は
もしや、まぼろしだったのだろうか、と
そっと記憶を辿る週末となった。