悠久の時を越えて ~古代蓮の花の色~
【写真は7月半ばに撮影したものです】
今年ほど、蓮の花にこころを寄せて
うっとりと親しく眺めていたことがあっただろうか。
その花びらの一枚一枚から醸し出される
不可思議とも思える美しい色合いに
私はすっかり、魅了されてしまった。
陽に透ける、その繊細さと陰影とが
見る人を飽きさせない誘惑を放っている様にも思える。
その魅力は、花ばかりではなく
葉の裏からもうかがい知れる。
蓮の花のいのちは
おおむね4日間、だそうな。
つぼみがそっと花開き
夜を迎えては花弁を閉じ
翌日も花は開くが、3日目の夜は
もはや、きちんと花弁を閉じる力はない。
4日目の朝を迎え、ほろほろと花が散り行く姿を見るのは
どことなく、淋しさを覚えてしまう。
それでも、ハチノスと呼ばれる中には
たっぷりと次世代に繋ぐ命が種として詰め込まれ
古代蓮は悠久の時を経て
今の時代を彩るものとされてきた。
これからも、脈々と
受け継がれていくものがあるのだろう。