夕陽色の
秋雨前線と台風とが
今秋は容赦なく訪れては停滞してくれるもので
そうした気圧が激しく内耳に悪さをしてくると
もう、私は起きては居られなくなる。
自室の窓から日没近い空と街の光景を見て
一体、いつまでこの不調と付き合わねばならないのだろう、と
ふと、そんなことを考える。
昨日は元気でも、今日がわからない。
そして、今日が元気でも、明日がわからない。
いままで、そんなこと
思ったことも
考えたこともなかった。
年々、気象も天候も
かつてはありえなかったことが起こり
竜巻被害が起こった時は、は?と思ったし
大雨による洪水被害どころか
市内で土砂崩れが起こるなんて、想像もしていなかった。
私が住む街に、地盤の良くないエリアが存在していたことも
自然災害が起こるまで、知らなかったから。
発症する前の私しか知らない友人たちは
急に付き合いが悪くなったと言うけれど
病気とは縁のない人に、いくら言葉で状況を説明したとて
理解などしてくれるはずもなく
怠け病だの、都合がいい病気だの
寝ていられるんだから、いい身分だよね~だの
好き勝手に言われるだけだ。
あぁ、早くこの黒雲が去ってくれればいいのに!!!
一定の気圧が保たれているところに居れば
こんな症状が起こらないなら
ずっと飛行機に乗り続けるしかないジャン、と
耳鼻科の先生と笑いあった。
分厚くたれこめた黒雲におされて
夕陽さえ歪んでしまう空!!!
今夏は、家に閉じこもる日が多くて
どこかあっという間だった、な。
そしてまた、週明けには台風の影響を受けるとか・・・。
全く困ったものだ。
ふと見遣る葉の先に、不可思議なしずくがひとつ。
細く伸びた夕陽色の雲の帯に
じゅわっと滲んだら、さぞ面白かろうに!
でも、陽が沈み、窓を閉めてしまったので
その後はどうなったかは、わからない。