晩春の日没
4月もとうとう
最終日を迎えるなー、と
カレンダーを眺めながら、しみじみ思った。
春という季節
私が小さい頃は、もっともっと
何とも言えぬ穏やかな青空が広がり
そこにのんびりと飛行機が
プロペラ音を響かせながら、ぶぅ~ん、と飛んでいたものだ。
春一番は強く吹けど
今の様に、唸り声をあげて
連日、強く吹く風など、あまりなかったように思う。
晩春とも、初夏の始まりとも思える空に
夕陽がなんとも無表情に沈んでいく。
周辺の空は、こんなにも鮮やかな光を受けているというのに。
日没・・・。
随分とその位置も、北西部へと移動したもんだ、と
改めて思う。
冬場はウチの真横にある鉄塔の向こうに沈んで行ったのに。。。
さあ、折角だから、その姿
ズームをかけて見てみよう。
目視出来る光の強さになれば
カメラを向けても、差支えなどない。
だから、夕陽が染めるダイナミックな空の光景を
存分に楽しもうと思う。
あ・・・。
鉄塔の左側から、飛行機がやって来た。
見る間に、それが描き出すコントレイルは
尾を長く引いて行くけれど
それを知ってか知らずか
傾いた陽は、どんどんマイペースで沈んで行く。
だから、鉄塔に絡みつく、大きな陽の玉を
大胆にとらえたくなってしまった。
・・・まぁ、動画で記録するほどでもあるまい。
と思いつつ、すぐにカメラのダイヤルを
ノーマルポジションに戻す。
普通に撮れば、こんな感じ。
随分と距離はあるもんだ。。。
そして、今少し、執念で空を燃やしている上辺の翳りを眺めつつ
今一度、幼き日に味わった春の日の光景の中に
身を置いてみたいなぁ、と願う自分を
どこか懐かしい思いを抱きながら、見出してしまった。