夕方飛行、夜間飛行
夕刻の空を見上げていると
遠くに「ぽちっ」と小さな「点」が現われる。
それは、見る間にぐんぐん上昇して来て
ついには後方に軌跡を残しながら
真っ直ぐに突き進んでくる。
来た・・・!と、心の中でほくそ笑み
手持ちのカメラのシャッタースピードを切り替えてみる。
ついでに、明るさも。
高度1万メートルには、雲が存在しない。
いや、しないというより、出来ない。
なので、揺れの影響を受けることも少ないし
成層圏の醍醐味なのだな、と思う。
途中の雲を射抜いたように飛んで行く飛行機。。。
結構な大きさの機体であっても
地上から、その姿が認識できるかどうか、だ。
機体は夕刻の空から、夜の空へと切り替わったエリアに突入し
東へ、東へと向かって飛んで行く。
このコントレールは、双発機が描きだしたものだろう、と
予測する。
ぼやけた夜になりかけの空に
「やっぱりね」と誰が聞くわけでもないけれど
声に出して呟いてみる。
アシアナか、と認識するも
ここまで暗くなってしまうと
もはや、これ以上、ズームをかけたとて
今度はぼやけてしまうだけだから、ね。
深追いはもう、やめにしよう。。。
機体の両主翼先端と、最後尾には
衝突防止灯や位置灯が光っている。
ますます深くなる夜の空に
こうした小さな光が
確実に「ある」という機体の存在を
他者に知らしめることになるのであろう。
夜間飛行・・・
まだまだ、序章に過ぎないのだから。