春の空 ~夕暮れ~
春の空は、どこか不安定さを醸し出す。
晴れていたはずの空に
あっという間に、大きな黒雲が現われて
太陽を隠してしまった。
圧迫された日の光は
それでもあきらめずに、隙間を見つけては
そこから強烈な夕刻の光を細く投げかけて来る。
穏やかな、春の夕暮れ・・・
とはいかずとも
これもまた、春の夕暮れ。
再び、太陽が丸く顔を出し
とうとうオレンジ色の光が放たれた。
そうはさせまいと、また黒雲がじわじわと忍び寄り
やっきとなって陽の光を閉じ込めようとする。
しかし、到底、その光にかなうものなど、ない。
隠し、現れ、また隠し
ぐちゃぐちゃな空・・・。
そしておかしなもので
東の空にはもっと大きな雲たちがはびこり
風と共に、大粒の雨が運ばれてきて
ぽつりぽつりとバルコニーを濡らすようになった。
西の空には、まだ夕陽がこんなに輝いているというのに。。。
そして、夜が来ても
明日はまた、春の陽が昇る。