冬のばら
季節は巡り、多くの花たちが散って行った。
もはや、木々の葉さえも、すっかり風に舞い
寒空のもと、そこにあるのは
ただ、管理者がいなくなった庭だけだ。
と、その片隅に、すすけた蕾を見つけた。
・・・ばら、だ。
陽だまりに、逞しく立ちながら
花を咲かせたものもある。
たとえ、人の手がケアせずとも
太陽の光を受け、天からの雨を受け、大気の風を受けて
育まれていくいのちが、そこにあるのを知った。
明日の朝はまた、氷点下になるそうな。
それでも土の下には、豊かなあたたかさがあるのだろうか。。。
春・秋のばらのような華やかさはないけれど
冬に咲くばら特有の、力強さをそこに見た気がする。