Haneda sunset
私の部屋が西向きだからなのか
どうも夕陽を見ると
途端にカメラを向ける癖がついてしまった。
そして、それが出先であったとしても
特有の夕陽の色を見てしまうと
その光景を写し撮りたくなってしまう。
帰国する友人を送りに行った
羽田空港。
余程、搭乗までに時間がある人や
あるいは路線バスなどを利用する人以外は
ココのエリアには来ないであろう。
だから、窓ガラスを挟んではいても
シルエットになって浮かび上がるこの光景を
静かに独占出来る時間は、たっぷり備えられている。
ビルやモノレールのひとつひとつの窓に
複数の人たちの姿があるのだろうけれど
細かな日常やそれぞれの事情など
それこそ知る由もなく
いや、それら全ても覆い隠すほどに
夕陽が作り上げる影絵の黒は深い。
少しずつ、ターミナルに近づくモノレールの側面を
強烈に陽が照らす。
そして、厚い雲が落ちて行く陽を捕まえようとしていたけれど
お構いなしにすり抜けていく。
あぁ、もう少し、引いてシャッターを切ろう。
この陽が次に沈むころ
友はもう、自国の自宅で、日本からの土産物を
ひとつひとつ取り出しながら
長きに渡ったホリデーのことを
どこか懐かしく思い出しているのかもしれない。