半夏生
葦が茂る光景に出会った。
降り続いた雨がやみ、晴れたと思えば
今度はひどい暑さがやって来た。
木陰に身を置けば、まさに爽やかな風が
さわさわと草や葉の緑を揺らしながら、通り過ぎて行く。
そして
手前の緑にふと目をやって、驚いた。
半夏生!!!
こんなに沢山自生していたなんて
緑があまりにも多すぎると、案外、見過ごしてしまうものだ。
花の時を迎え
特有の知恵をもって、葉の表面の一部を白く変化させる。
花びらを持たない花ゆえ
虫たちに、それが「花」であることを気づかせるため、だというが
虫媒花の「誘い」の知恵も、タイシタモンダと思う。
花の時期が終われば、また葉も全て緑色に戻るそうで
「片白草」などとも呼ばれているが
半化粧とは、なかなかユニークな名が付けられたなとも思う。
花言葉は「内気」、そして「内に秘めた情熱」
案外、普段は自己主張しない分だけ
ここぞ!という場面においては
他にはない特有の強さをもって