紡ぐ ~結城探訪~
言わずと知れた、結城紬の郷である。
この日本最古の高級絹織物は、平成22年に
ユネスコ無形文化遺産に登録され
今や着物のみならず、バッグやネクタイ、ストールなど
いろいろな紬製品が作られている。
結城紬の平織は、真綿から指先でつむぎだした撚(よ)りのない糸を
そのまま縦糸と横糸に使用する織物だそうで
現在では、紬の生産量の大部分を占めているそうな。
「糸」として紡ぎ出すまでには
熟練した腕が必要になる。
繭から繊維を引き出し
よりをかけて、糸にする。
左手の指で、そっと繊維をつまみ出し
右手の指先を舐めながら、適度な力加減をもって
糸を拠っていく。
慣れた人の手は、躊躇がない。
そして、まるでそこにリズムが刻まれるように
規則正しく細い糸が仕上がっていく。
織り上げも、先染めされた糸を
どのように組み合わせて行くかで、模様が決まる。
知れば知るほど、結城紬の魅力にはまっていく。
でも、自由に反物を買い、着物を誂うことなど出来ないから
結局は「見るだけprice」なのだけど。
端布さえも、無駄にせず
きちんと有効利用しているのか
こんなに可愛らしいマスコットまで誕生している。
可愛いね💛
絹100%の結城紬は
もはや、日本を飛び出して
世界規模のブランドにさえなっているのだなぁと
商品に縫い込まれていたタグを見ながら、そっと思ってしまった。
結城紬の糸で作られた
可愛らしい羊のマスコット。
緑の牧場で、今日も平安な1日を過ごしている。
私も体験糸つむぎ・・・。
ウェットティシュで指先を濡らしながら撚ってみたら
なぜか糸はまとまらず、ほわぁ~っとした真綿状態に戻ってしまう。
「舐めながら」というのが、ポイントらしい。
『ふたりはひとりよりもまさっている。
ふたりが労苦すれば、良い報いがあるからだ。
どちらかが倒れるとき、ひとりがその仲間を起こす。
どちらかが倒れるとき、ひとりがその仲間を起こす。
倒れても起こす者のいないひとりぼっちの人はかわいそうだ。
また、ふたりがいっしょに寝ると暖かいが
ひとりでは、どうして暖かくなろう。
もしひとりなら、打ち負かされても、ふたりなら立ち向かえる。
三つ撚りの糸は簡単には切れない』
(伝道者の書 4:9~12)