風のつばさ

思いのままに吹く風に乗って、今日はどこに飛んで行こう♪

従順 ~ 桔梗の花言葉 ~

花屋の片隅に、盛りを過ぎたプランターたちが
ひしめき合って並べられている棚がある。
 
彼らが主役だった時期には
それこそワンコインでも買えないプライスが
小さなカードに印刷されているけれど
 
今や朝に夕に寒風が吹くようになり
元値には二重の赤線が引かれ
「全品50円」なる札の元、無造作に置かれているのだ。
 
どうせ捨てるなら、わずかな金額でも…というような
うら寂しい思いを漂わせ
その一角は多くの人の関心さえ誘わずにいる。
 
 
母は、その店に行くと、真っ先にその棚を見る。
まるで神様から「みどりの手」を与えられたかの様に
萎えた草花たちを再生し、増やしていくという特権が
備わっている様だ。
 
まぁ、何でもかんでも、というわけではないけれど。
 
だから、ウチにある植物たちはみな
30円だの50円だの、100円未満の出身者が多い。
 
 
今回も、片隅のコーナーの
更に目立たぬ下段の奥に
ひとつの小さなカップ入りの植物を見つけた。
 
それはよーく見ると、蕾を付けていた。
母はそのカップを両の手のひらで包み
レジに持って行く。
 
「消費税込みで54円になります~」という
無機質なスタッフさんの声を聞き
ふと、こんな状態であっても
ガッチリ消費税を取るんだ…なんて思ってしまい
それが何ともがめつく感じた。
 
 
帰宅してすぐに植え替えられ、追肥を与え
風に直接当たらぬようにと、すだれの囲いの中に置く。
ここは陽射しと水分だけは豊富だからね。
 
そして、数日たって、ついに花を開かせた。
八重の桔梗!!!
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何と時期外れな・・・とは思ったけれど
もう、今年は見ることなどない、と思っていただけに
思わぬプレゼントに心がぽわ~っと、温かくなった。
 
桔梗の花言葉
「endless love(永遠の愛)」
「honesty(正直、誠実)」
「the return of a friend is desired(友の帰りを願う)」
「obedience(従順)」
 
中でも最後の花言葉に、魅力を感じた朝だった。