8月の思い出 ~戦艦三笠~
「夏休み」、ね。
学生時代までのことは置いといて~
就職して以降は、もう、ぐちゃぐちゃもいいところ。
両親共働きで休みが合わず
私が社会人になるのを待っていたかのように
父は難病に罹患し、要介護になり
考えてみれば、家族旅行…って
ウチにはそんな思い出、あるのかな
と記憶をう~んと手繰り寄せて
緻密に探り出しても、ヒントさえ見つからない。
結婚後は夫婦単位になったけど
子どもがいるわけでもなし
わずかな共通の趣味はあっても
互いに感性が合わないので
妥協して相手に合わせると疲れる…
から、夫は夫で、私は私で、やりたいことをし
行きたいところに行く。
土産を買っても、好みが違うと互いに喜べず
無駄な金は使うな!
ということで、結局、自立心ばかりが養われていくのだけど(笑)
だから、今まではわざわざ混雑する時期に
どこかに行く、ことなどあり得なかった。
ところが今年は、ちょっとしたきっかけで
8月のお盆の時期に、日帰りでのバス旅をすることになり
母と共に車上の人となる。
「今日はどこ行くの?」と訊いたら
周囲の座席に座る人たちが
一瞬、引いたのを感じたけれど
興味のないことに関しては、私はそんなものです。。。
朝7時前。
首都高に接続する自動車専用道路は
まだまだ空いてる。
荒川を越えて、都内に入るにしたがって
少しずつ、車の数も増えて来て・・・
某ジャンクション近くになると
やっぱり、渋滞してしまった。
これだから、繁忙期の車の移動は嫌なんだよね~。
通常は鉄道利用ゆえ
自ずと体も動かすけれど
車は同じ姿勢で、ず~っと乗っていなければならず
これは大変だわ・・・。
生理現象は起こって来るし
喉も乾くし
みんな、よく平気でいられるなぁ~と思い始めた頃
「トイレ休憩に立ち寄りまーす」と
バスは某パーキングエリアに入って行った。
この手のところ、私には縁がないから
目につくものがいろいろ面白くて
自販機の飲み物も、カップにフタまで付いて出て来る!なんて
凄い時代になったもんだ、と驚いてしまった。
・・・買わない、けどね。
麦茶を入れたマイ水筒、持ってるし。
でも、誰か買わないかな~と思っても
みんなスルーしちゃうんだねぇ。
休憩時間は15分。
それで乗客全員が一息ついて、定時に出発~!するのだから
タイシタモンダと思うよ。
羽田までの道は、見慣れているけど
そこから先は、私にとっては未知の世界。
連日、悪天候続きだったけど
まぁ、雨が降らないだけ、良しとしましょう。
横浜の風景を、こんな感じで観るなんて
初めての経験だなぁ~。
バスは横須賀の市街地に入り
左手に米軍基地を見ながら、着いたところが、ココ。
戦艦三笠が展示されている、三笠公園。
小一時間ほど、自由時間が与えられたので
うろうろ・・・とカメラ片手に観て歩く。
世界三大記念艦に指定されている
戦艦『三笠』
歴史に疎すぎる私にとっては
お恥ずかしながら、よくわからないことが多いのだけど
『日本海海戦において
歴史的な大勝利に貢献した』という戦艦。
自国の独立を守るための重要な海戦において
勇敢に戦い歴史的な勝利を収めたことから
イギリスの「ヴィクトリー」
アメリカの「コンスティチューション」
と並んで、世界の三大記念艦と言われているみたいね。
かなり貴重な、当時を知る資料なのだろうけど
当然のことながら、入館料は別。
あちこちで呼び込みはあっても
私はスルー。
無視、ということではなく
戦争の話は、もう、身内の体験談だけで
重すぎて十分だ。
洋上に出ると、自分のいのちなんて
軍の前では、モノに過ぎなかった、というけれど
守備についていた時、急な持ち場変更を命じられ
右舷から左舷(だったかな)に交代した途端
今まで、自分が居た場所に大砲が飛んで来て
兵隊同期で家庭のあった仲間が死んだ、という話
何度聞かされてきたことか。
多くのたましいが、置き去りにされたんだ…と
そんなことばかりが脳裏に浮かぶ。
かつて、縁あってロシアの日本人墓地への墓参団に
同行したことがあったけど
捕虜から解放されて生き残った元兵士の方々ほど
重たく口を閉ざし、後日、自身の体験を綴った書物が
送られて来た。
語るには、やはり、感情と記憶がリアルに伴うので
抑えられないものが噴き出てしまうのだろう、と思う。
無論、そうしたことは
日本人ばかりが体験したことではないけれど。
犠牲があって守られたもの・・・か。
私も勿論、戦争を知らない子どもたち、だけど
ね。
日本の、夏休み。
8月のお盆の入りの日。
わざわざ、そうした日に
ココに来る人はそう多くないのだろう。
「暑いから、水分補給もして下さいね~」と
バスを降りる時、ひとり1本、手渡されたペットボトルも
すっかりぬるくなってしまい、概要のパネルを読みながら
ひといき。。。
ココが最終目的地ではないので、休憩したら移動、ね。
はいはい。