木漏れ日に招かれて
先日の台風を境に、急に秋の気配が色濃くなってきた。
それでも、まだまだ昼間の陽射しはきつい。
用事があって出向いた隣駅のビル街。
建物を繋ぐ、雨避けのついたデッキの一角に
木漏れ日が涼しげな、緑のオアシスを見つけた。
たった1歩、そちらに足を踏み入れただけで
異空間にいるような錯覚を起こす。
通路わきの植え込みに沿って作られた、低い石の境。
その上には、思い思いの作品が並べられ
行き交う人たちの目を、そっと微笑ませている。
個性的なオブジェの、開けられた大きな穴から
秋色の青空が遠くまで望めた。
多忙な時間の流れの中にあって
ふと、立ち止まり、足元を眺め、空を仰ぐ瞬間
緊張から一瞬でも、解放される時なのかもしれない。