こもれび
近所にある公園。
朝の光が木々の枝葉の隙間から
零れ落ちてくる。
さくさくと、落ち葉の上を歩きながら
懐かしい土の香を鼻先に感じ、ふと、子どもの頃
親しく眺めていた光景を思い出す。
隙間時間の、誰もいない公園。
もう少し、太陽が高く昇って気温が上がれば
ひとり、またひとりと人生の先輩たちが、ここにやってくるのであろう。
頭上には、初冬の風に吹かれて揺れる
色づいた桜の葉。
子どもたちの歓声が響くまで
揺れる馬たちも、しばしの休息の様だ。
やさしく差し込んでくるこもれびを受けて
ふんわりと包まれたような、そんな空間がそこにあった。