丸い虹
機上の人となることは
私の大いなる楽しみでもあり、喜びでもある。
行きも帰りも、それぞれに到着地への思いを募らせるけれど
道中とて、飽きることは全くない。
機窓から見える光景も、反対側に太陽があり
眼下に雲が満ちていれば、ほら!!!
ちゃんと「丸い虹」がそこに見えるのだもの。
雲の厚さが変わっても
雲がそこにある限り
「丸い虹」は、ずっと現れ続けてくれる。
いよいよ到着地が近づいてきて
飛行機が高度を下げ始めた途端
「丸い虹」は消え、機体が揺れ始めた。
予定時刻より30分以上も早く
搭乗機は着陸態勢に入ってしまった。
追い風が半端なく強く、物凄い煽りを受けたのだろう。
ポーン!と鳴って、シートベルトの着用サインが出た。
そして、聞こえて来たアナウンス。
「みなさま、ただいま当機は気流の悪いところを通過しております。
どなた様も今一度、シートベルトを腰の低い位置で
しっかりとお締めになって下さい。
機体が大きく揺れましても、飛行の安全には影響はございません。
お手元にお飲み物をお持ちのお客様は、液体がこぼれませんよう
ご自身でご注意願います」
揺れた・・・なんてもんじゃない。
折角、富士山も雲の上に顔を出していたのに
何度シャッターを押しても、全てブレブレ。
出発地は、穏やかな天候だったのに
到着地は荒れ模様のお天気だった。
丸い虹、機窓から見るためには
眼下には雲がないと、見られない。。。
スクートの黄色、 トブラローネの黄色
シンガポールの格安航空会社、スクート。
個性的な黄色の機体は、遠くからでも目につくね。
TZ201便として
まずは成田から、台北に向けて飛んで行く。
プッシュバックされて・・・
ゆっくりと誘導路に向けて、方向転換。
”scoot” は、走り出す、の意味。
スクートの、それぞれの機体には名称が付けられていて
操縦席の窓の下を見ると、” Maju lah ” と書いてある。
進め、っていう意味なんだってね。
さ、トーバーが外されると
いよいよ自力でのグランド走行。
滑走路に向けて、ゆるゆると動き出す機体に
そっと「ガンバレヨ」って、声をかけたくなった。